美味しいチーズとミルクの背景にある“べっぴん”なストーリー 《増田牧場 後編》

masuda farm

東京・清瀬市にある増田牧場の訪問レポート。後編は、母さん牛の中でもひときわ顔が小さく、足が長く、艶々の毛と美貌を持つ“増田ペコちゃん(2歳)”の紹介から始めましょう。

素人目に見てもとてもきれい。ペコちゃんの娘牛もたいそうな“べっぴんさん”。ペコちゃんは2016年10月に行われた東京都の牛の美人コンテスト(共進会と言います)にて入賞し、11月23日に開催された関東大会へ出場。5部(初産の母さん牛部門)で見事3位入賞を果たしたそうです。

masuda farm trophies

今、「ん??牛に美人コンテストがあるの?」とお思いになったあなた。

そうなんです。日本全国、いえいえ、世界中に牛の美人コンテストは存在するのです。

 

美人コンテストへの道

牛の美人コンテストでは、審査員が、乳牛の品質を体格や骨格、足の丈夫さ、おっぱいの形などを目で見て評価し、点数をつけていきます。「健康的で美しい牛か?」という観点で品評されます。

年齢別にカテゴリーがあり、若い牛は将来良いお母さん牛になれるか、赤ちゃんを産んだ牛はお乳の高さなども見るそうです。

masuda farm

 

酪農家の仕事は365日、毎日牛との対話。

他の酪農家の方と情報をシェアしたり、話をする時間はなかなか無いものですが、共進会に出品することで「増田さんとこ、どうやってるの?」「うちはね…」と、情報を分け合ったり、「頑張ってるね」とお互いが励まし合ったり、素晴らしい牛を見て「またがんばろう」と思う場所であったりするそうです。

増田さんも共進会に参加する理由は「自分自身の楽しみと、仲間との情報交換」と言います。そのために、日々ペコちゃんがやっていること、ペコちゃんにやってあげていることは…

  • 良い姿勢を保つための訓練…搾乳の時に首をまっすぐにしてきれいな姿勢を保つ
  • 時々美容師さんに来てもらって毛を刈り、きれいにしてもらう
  • 搾乳の後はふかふかな藁のベットを敷いてあげる
  • 搾乳している牛一頭一頭のミルクを、一か月に一度品質検査に出す…ミルクは血液のようなもの、検査によって牛の健康状態がわかる

…などなど、沢山あるのです。

ペコちゃんは増田牧場さんのスーパーアイドル。大事に大事にされています。

 

毎日ミルクの量を計っていると

masuda farm

増田牧場さんでは、朝晩1日2回の搾乳の時、ミルカーと呼ばれる乳搾りの機械で、牛一頭一頭のミルクの量を計っています。

たくさんお乳が出る牛もいれば、調子が悪くて餌が食べられず、あまりお乳が出ない時もあるし、暑くて夏バテすることもあります。清瀬市の夏はとても暑くなるので、ミルクの量が減り、牛さんもフーフー言う…そんな時はたくさんの扇風機を全開にします。

masuda farm

ものを言わない牛たちの、ミルクの量と質を測り、健康チェックをすることで、事故を未然に防げたこともあったそうです。異変に気づいて、なんと牛舎で緊急帝王切開をして赤ちゃん牛を獣医さんに取り上げてもらった、なんてことも。

masuda farm

毎日牛を触って元気かチェックして、乳搾りをして、そうしていても牛さんにさよならしなくてはいけない日もある。そんな日には、その牛さんが生まれてから懸命に育ててきた日々を振り返り、「ありがとう」を伝えて送り出します。

 

「美味しかった」の一言が一番うれしい

masuda farm

増田牧場さんのミルクは、他の東京都の酪農家のミルクと合わさり、1日8000本出荷されている「東京牛乳」などに生まれ変わります。一部はSHIBUYA CHEESE STANDに運ばれ、フレッシュチーズに変身します。東京牛乳は、東京牛乳ラスクやサブレの原料にもなって、東京土産の逸品としても成長中!オリンピックでも活躍してほしいところです。

東京牛乳を飲んだ方から「牛乳飲んだよ!美味しかった~」と聞いたり、SHIBUYA CHEESE STANDのチーズを食べた方から「モッツァレラ食べたよ、美味しいね!」と言われたりすることが今、酪農をするうえで一番うれしいことだと、増田さんご夫妻はおっしゃいます。

「自分たちの牧場で生まれたミルクが、たくさんの美味しい笑顔を作っている、東京の元気を生み出している!それが仕事のモチベーションだ」と。

Tokyo Holstein Breeding Club

あなたの食卓に今日牛乳はありますか?
チーズはありますか?

「ああ美味しいな」の向こうには、増田さんファミリーのような家族経営の酪農家さんもいっぱいいることを、ちょっとだけ思い出していただきたいと思います。

ゴクッと一杯、あぁ美味しい。今日は東京牛乳で乾杯だ!

 

増田牧場
〒204-0012 東京都清瀬市中清戸4-870
電話・FAX 042-492-8223

 

yurika-oowada
大和田百合香(おおわだ ゆりか)
2001年より1年数か月にわたり、フランスやイタリアのチーズ産地を訪ね歩き、帰国後「BonBon! FROMAGE!」の名前でチーズを楽しむ会を主催。チーズ王国本店に勤務しつつ、ライフワークである国産ナチュラルチーズの工房を訪ねて北へ南へ。二人の男児育児にも奮闘中。東京農業大学栄養学科卒。CPA認定チーズプロフェッショナル、JSA認定ワインアドバイザー、フランスチーズ鑑評騎士の会シュヴァリエ。

 

牧場から始まるチーズの世界

東京に50軒も!笑顔あふれる牧場の世界《磯沼ミルクファーム 前編》

カフェモカの香りがする牧場?未来を見据えた酪農《磯沼ミルクファーム 後編》

ニンジン畑も広がる東京の町から生まれるミルク、そしてチーズ《増田牧場 前編》

美味しいチーズとミルクの背景にある“べっぴん”なストーリー 《増田牧場 後編》

日本一小さな牧場は、牛乳大好き少年の夢から生まれた《牧歌 前編》

“生まれたまんま”の乳製品。その美味しさの秘密とは?《牧歌 後編》

 

mozzarella
出来たてのフレッシュチーズを、FRESH CHEESE Delivery(オンラインショップ)で
東京・渋谷で作られるフレッシュチーズ。出来たての美味しいチーズは、オンラインショップでもお求めいただけます。
http://fcd.cheese-stand.com/

最新の記事一覧

人気の記事一覧

タグ

このページのTOPへ