パルメザンと一緒!?「パルミジャーノ・レッジャーノ」のストーリー&美味しい食べ方

Parmigiano Reggiano

900年以上も前から今とほとんど変わらない製法で作られ続けている、イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノ。

約40㎏もの堂々とした姿、歴史、そしてその味わいは別格で、“チーズの王様”と讃えられているのも納得のチーズです。

 

パルミジャーノ・レッジャーノってどんなチーズ?

Parmigiano Reggiano 

パルミジャーノ・レッジャーノが作られているのは、イタリア半島の付け根を流れるポー川周辺。その中でも、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナの3県全域と、ボローニャとマントバの一部地域のみと厳密に定められています。

牛たちの餌は、その地域の牧草と植物性飼料のみと厳しく規定されているので、原料となる牛乳は、その土地ならではの風味を持った高品質なもの。そして添加物を一切使うことなく、熟練の職人たちが伝統的製法で作り上げ、長い熟成期間を経て完成します。

その熟成期間は、最低12か月。多くは24か月以上にもなります(まれに6年熟成というものも)。そして、最後の品質検査に合格したものだけが「パルミジャーノ・レッジャーノ」として流通することができます。こうやって昔ながらの製法や美味しさを維持しているのです。

ParmigianoReggiano

なお、熟成期間が長くなるにつれてチーズ内部に白い斑点が現れてきますが、これは、チロシンというアミノ酸が結晶化したもの。この斑点と、少しじゃりっとした食感は、パルミジャーノ・レッジャーノらしい長期熟成の証です。

Parmigiano Reggiano

 

パルメザンとパルミジャーノ・レッジャーノ、似て非なるもの

Parmigiano Reggiano

ところで、“パルミジャーノ・レッジャーノ”という名前は初めて聞いたという方でも、“パルメザンチーズ”と言う名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

実はよく見かける緑の筒に入った粉状の“パルメザンチーズ”は、この“パルミジャーノ・レッジャーノ”を模してアメリカで作られたイミテーション。産地も違えば、製法や原料も違います。

※パルメザン(Parmesan)はパルミジャーノの英語表記名でもあり、少なくともEU圏内では模倣・類似チーズにこの名称を使うことは禁止されています。

日本では、そのイミテーションの方が先に有名になってしまいましたが、本家本元がこのパルミジャーノ・レッジャーノです。ですから、本物のパルミジャーノ・レッジャーノを購入したい場合は、まずは生産国を、そしてチーズ外皮の“PARMIGIANO-REGGIANO”の点文字を確認しましょう。パックに入ったもの、外皮のついていないものは、パルミジャーノ・レッジャーノ協会のロゴとD.O.P.マーク(赤と黄色の円形の印)を確認するのがポイントです。

Parmigiano Reggiano

なお、イタリアにはパルミジャーノ・レッジャーノとそっくりな別のチーズもたくさん存在していますが、こちらはイミテーションではなく、それぞれに伝統を持つ別のチーズです。その話はまた別の機会に・・・。

 

パルミジャーノ・レッジャーノの美味しい食べ方

Parmigiano Reggiano 

パルミジャーノ・レッジャーノは本当に万能なチーズで、まずは塊を砕いてそのままつまむのがおすすめ。砕く時には「アーモンドナイフ」と呼ばれるナイフがよく使われます。

そして、パスタやリゾット、グラタン、サラダなどにおろしかけたり、混ぜ込んだりというのも定番。使うと料理の味がぐっとランクアップします。また、ピーラーで薄く削って、カルパッチョやサラダのトッピングにしても素敵です。

さらに、パルミジャーノ・レッジャーノと同郷のモデナ産のバルサミコ酢をかけていただくのも、ベストマリアージュ。イタリアのレストランやチーズ屋さんの試食でもよく出てくる、地元らしい食べ方です。

買う時は、出来る限り塊のものを購入し、その都度、おろしたりカットしたりしましょう。広がる豊かな香りもご馳走です。

Parmigiano Reggiano

ところで、塊で買ったパルミジャーノ・レッジャーノの皮って捨てていませんか?

皮は食べられない部分だと思われがちですが、単にチーズ表面の水分が熟成とともに少なくなり、硬くなって自然にできたもの。だから食べられないものは一切含まれていません。逆にうま味がぎゅっと凝縮した部分ですので、煮込み料理やスープにポンと放り込んでおくと、良いお出汁となってくれます。

また、2㎝角位にカットしてレンジで1~2分加熱し、胡椒を振って冷ますと、カリッとした食感も美味しいおつまみになります。ぜひお試しください。

Parmigiano Reggiano

加熱してもしなくても、そのままでも調理しても、どのように使っても本当に美味しいパルミジャーノ・レッジャーノ。料理の味が決まらない時、ひと味足りない時、コバラが空いた時にも助けてくれるので、冷蔵庫に常備しておくと安心感すらあります。

また、1㎏のパルミジャーノ・レッジャーノを作るのに16Lものミルクを使っているので、ミルクの栄養や風味がぎゅっと凝縮されているうえ、消化もしやすいので、小さな子供からお年寄りまで、あらゆる人たちにとってぴったりな栄養補給源ともなります。

チーズの王様、パルミジャーノ・レッジャーノ。本物の味をぜひ試していただきたいと思います。

Parmigiano Reggiano
参考:パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会(日本語サイト)

 

パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)のきほん

  • タイプ:ハードタイプ(加熱圧搾タイプ)
  • 産地:パルマ、レッジョ・エミリア、モデナの3県全域と、ボローニャとマントバの一部地域
  • 原料:牛乳(無殺菌の部分脱脂乳)
  • 熟成期間:最低12か月
  • 形状・重さ:直径35~45㎝、高さ20~26㎝の円盤形。重さ30㎏以上

 

yuki ogasawara
小笠原由貴(おがさわら ゆき)
恵比寿でパンと料理の教室「la nature(ラ・ナチュール)」を主宰。チーズのある食卓の幸福感、チーズの美味しさ、バリエーション、唯一無二のチーズが生まれる面白さに惹かれ、教室でも折に触れてその魅力を紹介している。C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、J.S.A.認定ワインエキスパート、シュヴァリエ・デュ・タスト・フロマージュ。
http://ameblo.jp/naturefoodstyle/

 

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