チーズの可能性を引き出す、プロの手仕事 パティシエ 後藤裕一さん|PATH

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フランスの名店「メゾン トロワグロ」でアジア人初のシェフパティシエとして勤めた後、シェフの原 太一さんとタッグを組み、2014年に「PATH」をオープン。カジュアルだからこそ、本格的で職人らしいエッセンスを大切に。「食」をクリエイションとして捉え、パティシエという仕事に新たな息吹をもたらす、後藤裕一さんにインタビューさせていただきました。

 

山羊乳チーズを、フランスで満喫

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―チーズにまつわる特別な思い出やエピソードはありますか。

「メゾン トロワグロ」ではプラトー用に常時20〜30種のチーズを用意していたのですが、サーブできない“切り落とし”が必ず出ます。それを毎日のように賄いで食べていました。

店のあるロアンヌという街には著名なチーズ熟成士、エルベ・モンスの店もあり、チーズはパーティやホテルビュッフェでも欠かせないもの。私が特に好きなチーズは「サントモール・ド・トゥーレーヌ」という山羊乳チーズですが、多種を少しずつではなく、一種のチーズをガツっと食べる楽しみ、満足感もフランスで体験しました。

 

チーズは素材。非日常の驚きを、日常のなかに

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―チーズを使った料理を紹介していただけますか。

スイスメレンゲ※で作ったキューブの中に、ストラッチャテッラ(ブッラータの中に入れる繊維状のフレッシュチーズ)と、シェリービネガーで味付けたブラックベリーを入れた「CUBE」という一品をご紹介します。

スプーンで割ると中身が出てくる仕掛けで、単なるデザートでもなく、とは言え、料理でもない感じ。前菜として出てきても、デザートとして出てきても、どこか不思議で、心に引っかかる。そんなメニューです。

※スイスメレンゲ:湯煎をしながら泡立てたメレンゲ。オーブンで乾燥焼きにするとサクっとした食感で口どけが良い素材になる。

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ミルク由来の優しい味わいとコク、メレンゲの甘味と食感、ブラックベリーの酸味や野性味などを、形状や仕掛けとともに楽しんでもらえると思います。

 

チーズは、食感を演出する材料にも

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―家庭でもできるチーズ料理、またはチーズの使い方のコツなどを教えてください。

素材そのものをシンプルに楽しむほかに、風味付けや食感を演出する副食材、トッピング材料として使うと、料理のバリエーションが広がるかもしれません。

例えば、モッツァレラをあえて少しつぶして細かくし、軽く塩こしょうとオイルで調味したものを、スープのトッピングにしたり、ドレッシングに加えたり。ブランマンジェやアイスクリームの中に混ぜてみても面白いと思います。

 
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後藤 裕一さん
フレンチレストラン「PATH(パス)」のオーナーパティシエ。「オテル・ドゥ・ミクニ」、「キュイジーヌ[S] ミッシェル・トロワグロ」を経て、フランスの三ツ星レストラン「メゾン・トロワグロ」でシェフパティシエを務める。2014年に帰国し、シェフである原太一氏と共同で「PATH」をオープン。

 

PATH

東京都渋谷区富ヶ谷1-44-2 A-FLAT 1F
tel.03-6407-0011
営業時間/8:00~14:00、18:00~24:00(L.O.23:00)
定休日/月曜(月に1度日曜休あり)

 

text by 佐野嘉彦(CHEESE Media 編集長)
photographs by 石原哲人

 

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