ミルクから生まれた素材が、皿の上で再会。 シェフ 岩坪 滋さん|イル・プレージョ

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ピエモンテ州から、サルデーニャやシチリアの島々に至るまで、イタリア全土に渡って郷土の食を学ばれた岩坪滋(ゆたか)シェフ。今でも定期的にイタリアに訪れ、料理人としての見聞を高められているそうです。

2016年9月に行われた「第6回世界料理学会 in HAKODATE」にはゲストスピーカーとして初参加。代々木上原のリストランテ「イル・プレージョ」岩坪シェフにインタビューさせていただきました。(取材:2016年7月)

 

思い出は、ピエモンテ地方独特の「リコッタ」

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―チーズにまつわる特別な思い出やエピソードはありますか。

イタリア各地で修行する中で、それぞれの土地で作られているチーズの工房にもよく足を運びました。特に印象に残っているのは、ピエモンテ州のアルプス山中で作られる「Seirass(セイラス)※」。藁で包んで乾燥熟成させたリコッタです。他に、カンパーニャ州のモッツァレラやカチョカヴァッロの燻製工程なども見てまわったのが思い出深いですね。

※Seirass(セイラス)は、ピエモンテ地方の方言で「リコッタ」の意。羊乳・牛乳のホエーに、クリームも添加して作られる、北部地方独特のリコッタです。

 

白神山地の食材とモッツァレラ

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―チーズを使った料理を紹介していただけますか。

毎月内容が変わるコース料理の中で、2016年7月に実際にお出ししていた一品「チーズスタンドのモッツァレラ 秋田県白神山地の蓴菜(じゅんさい)・フルーツトマト」です。

モッツァレラを主役にし、塩とオリーブオイルで和えた蓴菜と湯むきしたフルーツトマトを合わせています。大きな蓴菜のシャクシャクっとした食感と青い香りがアクセントに。上にかかっているのは、ホエーを使ったエスプーマですが、同じミルクから生まれた素材を、皿の上で“再会”させてみました。

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―CHEESE STANDのチーズを使っていただいていますが、その理由は?

第一に、藤川さんの“情熱”です。作り手の顔が見えるという安心感はもちろん、もっと良いものをと追求する姿勢があり、実際に品質もレベルアップしていると思います。ホエーも活用していますし、モッツァレラもミルキーな味わいや香りがさらに豊かになってきていますね。

 

シンプルな美味しさを自分なりに見つける

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―家庭でもできるチーズ料理、またはチーズの使い方のコツなどを教えてください。

フレッシュタイプのチーズであれば、出来るだけシンプルに味わってみてほしいですね。

例えば、リコッタは、はちみつもいいですが、ブルーベリージャムやマーマレードをかけてそのままデザートとして。シンプルで簡単、でもそれだけで充実した美味しさがあるという食べ方を自分なりに見つけて、日常の食卓で楽しんでほしいと思います。

 

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岩坪 滋(ゆたか)さん
1978年生まれ。辻調グループ エコール辻東京を卒業後、1997年~2003年「アクアパッツァ」日高良実氏のもと、素材を生かしたイタリア料理を学ぶ。その後、2006年まで、イタリア全土に渡って研鑽を積み、帰国後、南青山「クッチーナ カッパス」料理長に就任。中目黒「リストランテ カシーナ・カナミッラ」料理長を経て、2012年10月5日、代々木上原「il Pregio(イル プレージョ)」オーナーシェフとなる。

 

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il Pregio(イル・プレージョ)

東京都渋谷区上原1-17-7
フレニティハウス2F
tel.03-6407-1271
営業時間/11:30〜13:30L.O.(木・金はディナーのみ営業);18:00〜21:30L.O.
定休日/水曜・第一木曜

ご予約はWebから

 
text by 佐野嘉彦
photographs by 石原哲人

 

シリーズ《CHEF’S VOICE》
チーズを料理に生かす、プロフェッショナルたち。

https://cheese-media.net/?cat=32

 

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