チーズにこだわる大人のクレープ、食べたことありますか?

素材にこだわり、ウィスキーやシードルといった酒とともに楽しめる大人のためのクレープ。2014年に1号店が外苑西通り沿いの場所に誕生して以来、人気を博している「PÄRLA(パーラ)」をご存じですか。

定番メニューだけでなく、レストラン同様、季節ごとの食材を駆使したものも展開。その中にはチーズを生かしたクレープがあるのですが、使用しているのはありきたりなクリームチーズなどではありません。登場するのは本格派のナチュラルチーズばかりで、まさにチーズLOVERの心をくすぐる味わいです。

今回は、2017年9月に表参道にオープンした3店舗目、「PÄRLA LABO(パーラ ラボ)」で、お話を伺いました。

 

人気の「いちじくとブルーチーズ」にはスペイン産ブルーチーズ

ベースとなる生地は、もちろん注文ごとに1枚1枚手焼きされるのですが、この生地がまず美味しい。砕いたナッツがブレンドされていることもあり、とても風味豊かでしっとりとした生地になっています。

この生地とバランスが取れること。メニュー開発ではそこがとても大事になってくるので、チーズもしっかりとした個性を持ったものがセレクトされるそうです。

1号店で人気を博し、2号店である「PÄRLA GINZA(パーラ銀座店)」で現在はレギュラーメニューとなっている「いちじくとブルーチーズ(1200円)」を特別に作っていただきました。

巻いた時にベストな状態になるよう、まずは特製のホイップクリームをまるで絵を描くかのようにしぼり、そこに、ローストしたくるみ、自家製のいちじくの赤ワイン煮、そして、ブルーチーズを丁寧にのせていきます。

このブルーチーズは、スペインの「Queso de Valdeón(ケソ・デ・バルデオン)」というもの。I.G.P.(地理的表示保護)という認証を持っているチーズで、スペイン北西部・カルティーリャ・イ・レオンという地方で作られている伝統的な青カビタイプのチーズです。


photo by Tamorlan (Own work) [CC BY 3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/3.0)], via Wikimedia Commons

 

写真では分かりづらいのですが、カエデの葉で包まれて熟成されるチーズで、原料乳は牛のほかに山羊のミルクもブレンド。しっかりとした青カビの風味とともに、芳醇なうま味があります。

赤ワイン香るいちじくの豊かな甘みに、くるみの香ばしさ、さらに、ケソ・デ・バルデオンの塩気とブルーチーズならではの香りが合わさることで、絶妙な味わいが生まれます。上質な生地がそれをしっかりと包み込むことで、完成するこのクレープ。お酒も好きという大人のチーズLOVERには、ぜひ一度体験してほしい一品です。

 

日本発で、日本初のものを

「日本ではすっかりおなじみのこの手巻きスタイルのクレープですが、実は“渋谷区生まれ”だって、ご存じでしたか?」

こだわりあふれるこのクレープ専門店「PÄRLA」を展開されている株式会社ドロムの代表取締役社長、齋藤悠(さいとう はるか)さんが、教えてくれました。

「1号店やこのPÄRLA LABOがある原宿・表参道エリアには、パンケーキやポップコーンなど、海外で人気の日本店がたくさんあります。でも、そうした海外から持ち込まれた商品やメニューではなく、このエリア、コミュニティで生まれたこの“手巻きスタイルのクレープ”というフォーマットをもとに、良質な食材を使い、本格的で今までにないルセット(レシピ)を作り上げて、ここからまた新たな文化として発信していきたい。そう思って、料理経験豊かなスタッフとともに、一つひとつ積み重ねています。」

「EAT SWEETS, & WORK HARDER !」。「PÄRLA LABO」の外壁にはこんな言葉も。アイデアと情熱がたっぷりと注ぎ込まれたクレープは一食の価値あり。確かに、スペシャルなチーズが入ったここのクレープを堪能すれば、なんだかチャレンジする力が湧いてくるかも(!?)

「PÄRLA LABO」に併設しているのは「THE SHAKE & CHIPS TOKYO」という店。「PÄRLA」プロデュースということもあって、様々なフレーバーのシェイクがあり、アルコール入りとアルコール抜きといったセレクトも可能。他にはドラフトビールや、フィッシュアンドチップスやバーガーなどのフードメニューもあります。

 

春の限定クレープには、“チーズの王様”が

もう一つ、この日特別に作っていただいたのは、2号店の「PÄRLA GINZA」で今年3月1日から限定発売される「桜 ブリー・ド・モー」。その名にある通り、フランスの白カビチーズ「ブリー・ド・モー」が使われています。

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1814〜1815年のウィーン会議で「チーズの王」に選ばれたなどの逸話も多く、A.O.P.(原産地名称保護)に指定されているチーズ。コク豊かなミルクの味わいだけでなく、白カビの風味もしっかりあるので、桜の塩漬けに負けない強さがあります。

「まさに春!」といったクレープ。さらに、食感のアクセントになる松の実と、奥行きのある甘さを生む蜂蜜がプラスされます。

この他にも、「ピスタチオマスカルポーネ グリオット バニラ蜂蜜(1300円)」というメニューも。秋は、カスタードクリームのようになめらかなテクスチャーのチーズ「モン・ドール」を使ったクレープの展開もしていたそうです。

「私自身は、ウォッシュタイプもシェーブルチーズも好きなんです」と、齋藤社長。「これからも、常にスタッフとお互いの意見を交わしながら、新たな美味しさを追究していきたいと思います。」

 

PÄRLA(パーラ)
http://par.la/

 

PÄRLA SHOT AND CREPE(パーラ外苑前本店)

東京都渋谷区神宮前2-10-1
tel. 050-5892-7169
12:00〜22:00(※16〜18時頃、仕込作業によるクローズの場合あり)
無休(年末年始・臨時休業あり)

 

PÄRLA GINZA(パーラ銀座店)

東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座1F
tel. 03-4405-9397
11:00〜23:00
不定休(東急プラザ銀座に準ずる)

 

PÄRLA LABO(パーラ ラボ)

東京都渋谷区神宮前5-6-5 パス表参道 B2-1F
tel. 050-5892-7169
平日 12:00〜20:00
土曜 11:00〜20:00
日祝 11:00〜19:00
火曜定休

 
text and photographs by 佐野嘉彦
 

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