ひょうたん形が印象的なカチョカヴァッロ。
イタリア語で、”カチョ(cacio)”はチーズ、”カヴァッロ(cavallo)”は馬。つまり、“馬のチーズ”というユニークな名前のチーズです。
昔、2個ひと組を縄でつなぎ木の棒にかけて乾燥・熟成させる様子が、まるで馬に跨っているようだったから名付けられたとも言われています。
表皮はやや黄色みがかったクリーム色ですべすべ。カットしたその中の生地はむっちりとしたクリーム色。よく見ると、製法による裂け目も少し確認できるこのチーズは、パスタフィラータタイプと分類されます。
パスタフィラータとは、南イタリアでよく見られる繊維状のチーズの組織で、製造時に生地を湯の中で、練ったり引っ張ったり、伸ばしたりしながら作り上げます。そうすることで、繊維状に裂けたり、加熱すると非常に良く伸びるという性質を持つようになります。なお、モッツァレラやプロヴォローネ、スカモルツァも同じパスタフィラータタイプです。
カチョカヴァッロの歴史
現在では、南イタリアを中心に世界各国で作られているカチョカヴァッロ。
その歴史はチーズの中でも古く、名前が文献に現れたのは、なんと紀元前5世紀。
その頃から現在に至るまでの長い間、南イタリアやバルカン半島全域で一般的に作られてきました。
カチョカヴァッロの美味しい食べ方
そんなカチョカヴァッロ、食べるとほのかな酸味とミルクの優しい甘味、香りが口の中に広がります。味にクセがなく香りも穏やかなので、食べ方はいろいろ。
薄くスライスしてそのままつまんだり、サンドイッチにしたりというのはもちろんですが、なんと言ってもおすすめはステーキ。1~2㎝の厚めにスライスしたものをテフロンのフライパンで両面をこんがりカリッと焼いて塩胡椒をぱらり。焼く事でとろりと溶け、ミルク感も増して非常に美味。
また、ホットサンドやフライ、バーベキュー、グラタン等、とにかく加熱するとその本領が発揮されてより美味しくなるので、食べる時には加熱をお勧めします。
ちなみに、カチョカヴァッロにはプレーンな“ビアンコ”とスモークをかけた“アッフミカート”の2種類があります。何にでも使いやすいビアンコもおすすめですが、ビールに良く合うアッフミカートもぜひ一度お試しいただきたい味です。
カチョカヴァッロのきほん
・タイプ: パスタフィラータタイプ
・原産地: 南イタリア全域
・原料乳: 牛乳(全乳)
・形・重さ: ひょうたん形。1〜2㎏のものが多い。
- 小笠原由貴(おがさわら ゆき)
- 恵比寿でパンと料理の教室「la nature(ラ・ナチュール)」を主宰。チーズのある食卓の幸福感、チーズの美味しさ、バリエーション、唯一無二のチーズが生まれる面白さに惹かれ、教室でも折に触れてその魅力を紹介している。C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、J.S.A.認定ワインエキスパート、シュヴァリエ・デュ・タスト・フロマージュ。
http://ameblo.jp/naturefoodstyle/
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