三つの視点で紐解く「住吉酒販」の現在地。日本酒×福岡産チーズの幸福な出合い

九州の酒文化を牽引し、常に新しい提案で私たちを驚かせてくれる「住吉酒販」。
六本松店は、どこよりも早くABURAYAMA CHEESE STANDとのコラボ店舗としてチーズをお取り扱いいただいた。代表の藤川自身ずっと博多駅店の角打ちの大ファンでした。花札を用いたキャッシュオンシステムは何度訪れても心が躍り、福岡に来る時は必ずと言って立ち寄っていたお店です。
今回は、代表の庄島健泰さん、そして日々お客様と向き合う博多駅店久和さん・六本松店の松原さん「3つの視点」からお話を伺いました。

経営トップの確固たる哲学と、それを現場で体現するスタッフたちの熱量。その両方に共通して語られたのは、「日本のお酒と、福岡で作られたチーズの驚くべき相性」でした。

全国を飛び回る庄島さん。今回オンラインでインタビューに応じてくださいました。

経営者の視点 ▷ 庄島代表が語る「理屈を超えた美味しさ」

「良い意味で、原料よりも技術力の高さが味を作る。それは酒造りにも通じるものがあります」

オンラインでの取材中、東京のフレッシュチーズ専門店「CHEESE STAND」のチーズについてこう語った庄島代表。

ー理念や思いが大切なのはもちろんのこと、味がやっぱり一番。美味しくなければ意味がない。
味が個性的でクリアであることが商品選びの基本。そこをCHEESE STANDのチーズはついてきた。

とも話します。
CHEESE STANDとの出会いは遡ること約十数年前。SHIBUYA CHEESE STAND(第1号店)のオープン当初、飲食関係者からの口コミで行列に並んで行ったこともあったそう。(嬉しい!)
数年の時を経て代表の藤川とICCというカンファレンスで出会い、お取引が始まりました。

職人の手仕事によって生まれる繊細な質感やディテールの細やかさが、日本のお酒にぴったりと寄り添うと庄島さんはいいます。

そんな庄島さんに好きなイチオシの組み合わせを伺いました!

「うまいもの同士は理屈を超えて合う」と語る庄島代表の根底には、「品質の高いものが手の届くところにあるという日本の魅力を、もっと日常に取り入れてほしい」という温かいビジョンがありました。

現場の視点①▷博多駅店が提案する「枠に囚われない探求」

庄島代表のビジョンは、九州の玄関口である博多駅前店で、前向きで好奇心旺盛な接客へと繋がります。
店内では「日本酒×チーズ」の提案がテンポよく行われ、常にポジティブな熱気に包まれていました!

博多駅店・久和 温実(くわ あつみ)店長。考案したメニューの話になると笑顔に。

「相性の〝鍵〟になるようなものがあることを知った

組み合わせの鍵になるのは、、、

  • 日本酒の持つ「お米の旨みと優しい酸」とのマリアージュ

「チーズといえばワイン」という固定概念を軽やかに飛び越え、チーズの持つ味や香りの特徴をお酒のどの特徴とあわせるかの発見があったと語る久和さん。

お酒も飲み方や割り方によって、味だけを合わせるのでなく、香り・鼻から抜ける後味まで考えてさらに、実践して試してみると面白いと教えてくれました。
飲むみりんやビールなど、お客様のその日の気分に合わせて自由なペアリングを探求する姿勢が、博多駅前店の大きな魅力です。

「善食善酔(よいしょくよいよい)」と書かれたメニューには定番のチーズの盛り合わせから福岡ならではの「すぺしゃる」コラボメニューまでお客様のワクワクをそそる組み合わせがずらりと並びます。

「すぺしゃる」メニューとしておすすめしてもらっている「福さ屋特上明太子と出来たてモッツァレラ」
チーズの相棒、飲むみりん。「デザートワイン的のようなお酒」と紹介された。筆者もびっくり、自由な発想。

博多駅内にある住吉酒販博多駅店。仕事帰りに、お出かけ前にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。

住吉酒販 博多駅店
住所:福岡県福岡市博多区博多駅中央街11 博多デイトス みやげもん市場内

営業時間:9:00-21:00
TEL:092-473-7941
定休日:不定休

 

現場の視点②▷六本松店が紡ぐ「地域との繋がりとField to Table

次にお邪魔したのは、落ち着いた街並みに溶け込む「住吉酒販 六本松421店」。

こちらの店舗は福岡で初めてCHEESE STANDとのコラボ店舗として、角打ちだけでなくチーズの販売スペースも設けています。

「福岡のミルクで福岡で作る出来たてチーズを」

地元客や食通が多く集う六本松店では、Field to Table(正しい食文化の追求と自然との調和)」という理念のもと、よりパーソナルで驚きに満ちた提案が行われていました。

お話しを聞いたのは店長の松原 瑠花(まつばら るか)さんとスタッフの土本さん

驚きの和風・地元食材ペアリング

「えっ、この組み合わせ!?」常連客が絶賛する、驚きと感動の和風ペアリング。

爽やかで、柔らかな「白やなぎ」に香ばしい「すじ青のり」を纏わせた意外性のある一皿や、出来たてならではのミルク感を感じるでコクのある「出来たてモッツァレラ」。しっかりと熟成された「セミハードチーズ」まで楽しみ方は様々です。

一見意外な組み合わせが驚くほどお酒を引き立てます。
さらに、伝統的な奈良漬けや見た事もない珍味を使った「おしゃれで新しい」「家でも試したくなる」組み合わせを提案してくれます。
お酒好きの常連客の心を掴んで離さない極上のペアリング体験を、ぜひ味わいに足を運んでみてはいかがでしょうか。
使われる食材が全てその場で買い揃えられるのも大きな魅力です。

居酒屋ではない「角打ち」だから体現出来るメニューがずらり。
合わせるお酒は日本酒、ワイン、焼酎だけでなくジンやスピリッツなども。

スタッフの推しと探求、お客様の熱狂

松原さんの一番のお気に入りは「セミハードチーズ」。住吉IPA(ビール)との相性が抜群で、グラタンなどのアレンジも絶品といいます。

こちらのメニュー実はCHEESE STANDのスタッフからのおすすめレシピを実践してみての組み合わせ。
食べて試して、スタッフ間で共有して、、お客様へとその熱は繋がります。
常連のお客様にもそれぞれのチーズにファンがいると教えてくれました。

さらに印象的だったのは、スタッフの土本さんのエピソードでした。

福岡・油山の麓で育った土本さんにとって、油山は幼少期から馴染み深い場所。
「そんな思い出の場所でチーズ作りを行うCHEESE STANDに、仕事を通じてそのチーズをお客様に提供していることに不思議な縁を感じる」と語ります。

生活圏内である六本松だからこそ、油山の生産者とお客様の距離が近く、ストーリーが伝わりやすい。松原さんを中心にスタッフの皆さんと六本松店でチーズと向き合ってきたこの1年の積み重ねが、確実に地域のお客様の心を掴んでいます。

スタッフの土本さん。

日常の食卓を豊かにする「住吉酒販」の力

「美味しいお酒とチーズを、どう楽しんでもらうか」

庄島代表の揺るぎないお酒選びの哲学は、博多駅前店の「好奇心溢れる探求」と、六本松店の「地域に寄り添う温かな提案」という、それぞれの店舗のカラーに見事に落とし込まれていました。

 

庄島健泰(ショウジマ タケヤス)

1981年、福岡市生まれ。2009年、住吉酒販有限会社に入社。2017年、同社代表取締役に就任し、大正3年創業の酒販業を受け継ぐ。現在は福岡市内で酒販店4店舗とフレンチレストランを運営する。
2022年には、東京・南青山に自身が考案した現代日本酒のための酒器「酒碗」の専門ギャラリー「天酒堂 TENSHUDO」を開業。2024年には、日本酒の新たな基準となる酒器「SHUWAN」を発表するとともに、株式会社シュワンを設立。2025年には「天酒堂 京都祇園」を開業。
伝統を礎としながら、日本酒文化の新たな価値創造に取り組んでいる。

photos by 天野龍也
text by 米田望

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