73工房、161品の日本のチーズが集合! | ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト

平成10年(1998年)から隔年で開催されている「ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト」をご存じですか。

日本のナチュラルチーズのつくり手の技術向上や販路拡大につながるよう、一般社団法人 中央酪農会議が主催となって開催されているコンテストです。

「日本の気候風土に根ざし、日本人の嗜好にあったナチュラルチーズって、どんなチーズだろう?」

原料となるミルクや技術と向き合いながら、日本全国のチーズ生産者は未来に向かってチャレンジしています。日々の模索の中で生まれたチーズたちが一堂に会し、それぞれの切磋琢磨を目の当たりにし、また明日への指標を見つけていく・・・コンテストはそんな場でもあります。

第11回となった今回は、全国各地の73工房、計161品のチーズが出品されました。

 

最終審査は、ステージで

第1次、第2次と専門家による審査が進み、優秀賞10品、金賞10品を選出。金賞となったチーズは、次に最終審査へと進み、計10名のナチュラルチーズの専門家やチーズに造詣の深い著名人によって、審査が行われます。

この最終審査は会場のステージ上で行われる公開スタイル。それぞれの審査員が自分の推薦するチーズを一つ一つ紹介しながら進み、最終的に4つの上位賞が決定されます。

 

今回の栄えある上位4賞をご紹介

最優秀賞にあたる「農林水産大臣賞」に輝いたのは、「竹炭 濃厚熟成」というチーズ。

まるで和菓子のような、繊細でやさしい味わいのソフトチーズです。酸凝固とよばれる製法で作られ、周りに竹炭をまぶしてから熟成されるもの。牛乳製ですが、シェーヴルチーズで使われる作り方といえば、イメージしやすいでしょうか。でも、しっとりと、外皮は少しもっちりとした食感で、とてもオリジナリティあふれる美味しいチーズでした。

最終審査でこの「竹炭 濃厚熟成」を推薦された阿久澤良造氏(日本獣医生命科学大学 学長)も「炭と白い生地のバランス、そして、ねっとりとろける食感が印象的。見た目の日本的な美しさも素晴らしい。」と評していました。

見事受賞されたつくり手は、千葉県にある「チーズ工房【千】sen」の柴田千代さん。「この舞台に立つことをひとつの目標にしてきました!」とガッツポーズも決めた姿は、清々しく、かっこいいものがありました。

 

準優勝にあたる「農畜産業振興機構理事長賞」に輝いたのは、「二世古 椛(momiji)」。

名前の通り、もみじを思わせるような綺麗なオレンジ色が印象的で、フランスのミモレットを想起させる熟成したハードチーズ。そのままカットして味わうと、しっとりじんわりとした旨みが感じられるチーズです。

このチーズを手がけたのは、北海道の生産者で、国産チーズではおなじみの「ニセコチーズ工房(北海道)」。工房では父子でチーズ作りに励んでいらっしゃいますが、会場には息子の近藤裕志さんの姿がありました。

 

第3位にあたる「中央酪農会議会長賞」は、冨田ファームの「ジャパンブルー おこっぺ」の手に。

最終審査でこのチーズを推薦された服部幸應氏は「日本でもこんなにしっかりと、インパクトのあるブルーチーズができるとは驚きました」と評。アナトーで色付けされた生地もインパクトがあり、じんわりとした旨みも感じる、そんなブルーチーズです。

授賞式でのチーズ製造責任者の小林仁さん。「冨田ファーム」の名刺には「原料に勝る技術なし」と書かれていますが、原料と製造の技術の双方にしっかりと力を注いでいらっしゃるのでしょう。

 

そして、4つ目の賞「審査員特別賞」は、「コハク・クミン」というチーズに授与されました。

生地の中にクミンシードが散在しているため、とても香り高いハードチーズです。

この「コハク・クミン」を手がけたのは、福岡県糸島のチーズ工房「TAK」の片山 晶さん。授賞式では、審査委員長の村山重信氏から、香り高いチーズの素晴らしさを讃えられていました。

 

そのほか、以下のチーズが今回の金賞に選出されました。

 

優秀賞に選ばれた10品は・・・


CHEESE STANDの「東京ブッラータ」も優秀賞に。

 

今回、入賞という結果は得られなかったものの、素晴らしいクオリティ!という国産チーズがほかにもたくさんあります。

まだまだ生産量も少なく、入手しづらいものが多いですが、美味しそうな国産チーズをチーズショップで見つけたら、また旅先の土地で牧場やチーズ工房を見つけたら、はたまた物産館や道の駅で出合ったら、日本のチーズを味わってみましょう!

 

第11回 ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト

開催概要など詳細は こちら

開催日:2017年11月1日

主催 一般社団法人 中央酪農会議

後援 農林水産省、独立行政法人 農畜産業新興機構、公益財団法人 日本乳業技術協会、一般社団法人 日本乳業協会、一般社団法人 Jミルク、NPO法人 チーズプロフェッショナル協会

 
text and photographs by 佐野嘉彦
 

burrata
「東京ブッラータ」はFRESH CHEESE Delivery(オンラインショップ)で
クリームがとろ〜り、新鮮で濃厚。
東京・渋谷で作られるブッラータは、生クリームが入ったリッチで繊細なフレッシュチーズ。オンラインショップでもお求めいただけます。
http://fcd.cheese-stand.com/

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