モッツァレラチーズが、畑で美味しく変身!《Spot and Table in 久松農園》

longtable_main

自然のなかで体験する、食のライブステージ。それが、ここにありました。

長靴を履いて畑に入り、説明を聞きながら、自分の手で収穫。そして、プロの料理人が、その場の食材を使い、その時だけの料理を作り、畑の中の特設テーブルに表現していく。

「見て、触って、食べて、感じて。」

全身で体感する楽しみが詰まったイベント「Spot and Table」。その第4回が5月27日(土)に開催され、今回は、出来たてのモッツァレラチーズがメニューでコラボレーションすることに。さらに、地元産の伝統を誇る醤油や、滋味深い日本ワインの数々も登場。

プロの手仕事が詰まった、食のイベントの模様をお伝えします。

 

食べたものがあなたをつくる

farm

農業に携わっていない方でも、野菜や食に関心が高い方ならご存じの方も多い「久松農園」が、このイベントの舞台。筑波山と霞ヶ浦に挟まれた肥沃な土地で、1999年より滋味深い有機野菜を育てています。

でも、有機農業そのものが目的なのではありません。目指されているのは、もっと、もっとシンプルなことです。

「食べたものがあなたをつくる」は、久松農園のパンフレットに書かれているメッセージですが、その野菜の特性と向き合い、丁寧に育み、旬の時節に採れたてを届けることを大事にされています。

私たちの体は食べたものでできているという当たり前のことを改めて知る。日常の食卓をしっかり支える、飽きのこない味の野菜は、年間50種類以上にのぼるそうです。

 

TasuoHisamatsu

久松達央さん

久松農園 代表。1970年茨城県生まれ。1994年慶応義塾大学経済学部卒業後、帝人㈱入社。1998年退社後、1年間の農業研修を経て、1999年に独立就農。 スカイプ、SNSなどを駆使するソーシャル時代の新しい農業者として、仕掛ける農業を展開中。 有機農業がまとう曖昧なイメージをばっさりと斬る論理的な見解が好評を博し、大学や農業関係者からの講演依頼も多い。 他農場の農業運営サポートも行っている。著書に『キレイゴトぬきの農業論』(新潮新書)

 

「エロうま野菜」は「小さくて強い農業」から。

vegetables

一度食べると、思わず体が欲してしまうような“ヤバい”野菜。それを「エロうま野菜」というインパクトのあるネーミングで表現されている、久松達央さん。この日「Spot and Table vol.4」に参加されたみなさんも、畑を巡りながら、その「エロうま野菜」たちに魅了されていきました。

lettuce

緑輝くフリルレタスも2種類あり、自由に収穫。「根元に刃を入れて、そっと抱きかかえるようにして採ってみてください」。

lettuce2

葉のしっかりした品種のレタスも、味がしっかり。口に運んで「うぁ、ウマい!」。

carrots

人参は根元をしっかり掴んで、すっーと抜く。軽く土を拭って、ガブリっ。たまりません。

zucchini

ズッキーニは、緑のものだけでなく、黄色の品種も。生育のなかで、雌花に受粉し交配させる役目も担っているそうです。

この他にも、小松菜や水菜、セロリに2種のかぶ、スナップエンドウなどを収穫。途中、成長しすぎて大きな実をつけてしまったニンニクの芽や、トマトなども見て回りました。

 

ロングテーブルの饗宴

longtable

収穫体験を終え、いよいよお楽しみの食事会へ。ズッキーニの畑の横に、整えられたロングテーブル。参加者32名全員がひとつの食卓を囲みます。

 

menu

料理はなんと8品もの構成。合わせて用意されたワインは、すべて日本ワインです。ヒトミワイナリー(滋賀)、東京ワイナリー(東京)、清澄白河フジマル醸造所(東京)、Domaine tetta(岡山)と、今、人気のワイナリーのラインナップが揃いました。

野菜の美味しさがふんだんに生かされた料理は、どれも魅力でしたが、ここではモッツァレラチーズが使われた一品をご紹介していきます。

mozzadish02

「モッツァレラ ズッキーニ 牛肉 たくあん 干し柿 マスターシード 玉ねぎ バルサミコ酢」。

なんと、モッツァレラはフリットになって登場しました。

「今回使わせていただいたのは、CHEESE STANDの“出来たてモッツァレラ”です。キュッと弾力のある食感が魅力なことは重々承知なのですが、もっと出来たての状態、つまり練りたてのモッツァレラが持つ、ほの温かい感じとふわっとしたミルクの味わいを、今回は表現したいと思ってつくってみました。」

そう話してくれたのは、この「Spot and Table」の主催者でもある、横田渉シェフです。

 

WataruYokota

横田渉さん

料理人。料理好きだった祖母の影響もあり、幼少期より台所に立つ。調理師専門学校卒業後、研修のために渡仏し、文化と料理を学ぶ。帰国後、フレンチレストラン『Narisawa』に5年間勤務。2007年、自由な料理の可能性を求めて渡米。ナパバレー、サンフランシスコのレストランを拠点に、ニューヨークなどで研修を積む。帰国後、東日本大震災被災地でのボランティア活動を経て、農業実験レストラン『六本木農園』シェフに就任し、全国各地の生産者を訪問。退職後はフリーランスとして、プライベートシェフ(出張料理)や国内外のレストランのフードコンサルティング業、メディアや各種イベント料理制作を手がける。

Wataru Yokota http://wataruyokota.com/
CONVEY http://www.conveyfood.com/

 

mozzadish03

フリットは、低めの温度でやさしく。サクッとした衣の下には、少しトロッと溶けたテクスチャー。でも中心はモッツァレラらしいキュッとした繊維を感じる、絶妙な揚げ加減でした。

シャキッとした人参、瑞々しいズッキーニのグリル、しっとりとした牛肉。煮詰めたバルサミコ酢と干し柿、玉ねぎは、まるでチョコレートのような風味のアクセントソースに。食感も味わいも彩りも、バラエティに富んだ一皿でした。

合わせて提供されたワイン「Table Top Rose 2016」(清澄白河フジマル醸造所)は、山形県産メルロー100%で作られた軽やかなロゼ。野の花を思わせる香りと微発泡、ドライな後口で、心地よいペアリングを織りなしていました。

mozzadish01

料理家でパートナーでもあるeminaさんとの二人三脚で、久松農園のスタッフのみなさんともタッグを組み、横田シェフはこの饗宴を展開。

まさに“おもてなし感”にあふれた料理とサービスで心地よい時間が流れ、畑のイベント「Spot and Table vol.4」の一日は、にぎやかに暮れていきました。

longtable_night

 
photographs by  Spot and Table Vol.4 参加者のみなさん

 
text and photographs by 佐野嘉彦

 

「畑でバーベキューして常陸野ネストビール生樽を飲もう!」

7月、久松農園では今度はクラフトビールと野菜で、次の企画が予定されています。

真夏の久松農園に常陸野ネストビールのキッチンカーが登場! オリジナルの生ビールを飲みながら、横田渉シェフのBBQを。「畑の食」を体験したい方、参加されてみてはいかがでしょうか。

日時 :2017年7月22日(土)15:00 – 19:00
会場:久松農園(茨城県土浦市)

詳しくは こちら

 

mozzarella
「出来たてモッツァレラ」はFRESH CHEESE Delivery(オンラインショップ)で
真っ白でぷるん、つるん。
東京・渋谷で作られるフレッシュなモッツァレラはミルク感もあって、料理にも最適。オンラインショップでもお求めいただけます。
http://fcd.cheese-stand.com/

最新の記事一覧

人気の記事一覧

タグ

このページのTOPへ