チーズを和食で楽しむ。このCHEESE Mediaでも手軽で美味しい《チーズ×和食》のレシピを紹介していますが、料理人の技術が加わると、そこにはまた新たな世界が広がります。
今回ご紹介するのは、チーズの串が人気メニューのひとつになっているという、東京・恵比寿の焼鳥店。
絶妙な焼き加減でジュワッと肉汁が溢れる焼鳥には定評あり。その焼きの技術で、チーズがどんな串になっているのか。「Yakirori 田崎」店長、後藤聡一郎さんにインタビューさせていただきました。
懐の広い、晩酌のお供
―チーズにまつわる特別な思い出やエピソードはありますか。
チーズに特に詳しいわけではないんです。普段から食べるということでいえば、“さけるチーズ”が、プライベートの晩酌のお供。ビールでもサワーでも合いますし、チーズってすごく可能性があるというか、懐の広い食材ですよね。
食への関心が強かった父に連れられて、子どもの頃からいろいろな食体験をさせてもらいましたが、様々なバリエーションで楽しめる、チーズのような食材は、料理人にとって魅力的だと思います。
「これがチーズなの!?」と驚かれるお客様も
―チーズを使った料理をご紹介ください。
うちは焼鳥屋なので、凝った料理という訳ではなく、シンプルに串でカチョカヴァッロを焼いています。焼鳥の肉と同じくらいのポーションにカチョカヴァッロをカットして、串を打ち、じっくりじっくり、丁寧に火入れをしていきます。とろりと溶けて伸びてくるチーズですし、黒く焦がしたら台無し。
串を返しながら、こんがりとした香ばしさと旨みが十分に仕上がるタイミングを見極め、焼きあがったらすぐに、黒胡椒と自家製のピカンテオイルをかけて、お客様に提供します。
焼くともっちりしながら、シコシコとした食感もあるので、「これがチーズなの!?」と驚かれるお客様も多いんですよ。
東京産、自家製のストーリーにこだわる
―シンプルだからこそ、一つひとつのことが本当に重要になりますね。食材選びで大切にしていることはありますか?
出来るだけ “東京産”の食材や酒でメニューを展開したいと思っています。焼鳥屋で“オール東京産”をめざしている店は他にないんじゃないかな、と。“東京しゃも”の鶏肉だったり、野菜串のネギは千住葱だったり、江戸伝統野菜ももっと取り入れていきたいと思っています。
あとは、レモンは広島産のものを使用していますが、レモンサワーは自家製です。カチョカヴァッロの串にかけるピカンテオイルも自家製で、オリーブオイルに唐辛子を漬け込んでつくっています。
―東京産や自家製というこだわりから、チーズもCHEESE STANDのカチョカヴァッロを使っていただいているわけですね。
ネットで「東京 チーズ」と検索したら、渋谷でチーズを真剣に作っている人がいると知って、すぐに取り寄せました。東京産ということだけでなく、味も確か。食べた時にすぐに「これだ!」と思いました。お客様の驚きと満足の顔がそれを証明しています。
実は以前、輸入物の冷凍のスカモルツァを使っていたのですが、塩気が強くて、食感も良くない(笑)やはり、コスト重視ではなく、ストーリーと味。それが結局はお客様の心をつかむことになりますから。
―家庭でもできるチーズの串焼きなどがあれば、ぜひ教えてください。
家庭でカチョカヴァッロを串打ちして直火で焼くのは難しいと思うので、例えば、カチョカヴァッロを一口サイズにカットしてバジルで巻いたものとプチトマトを串に刺して、フライパンなどで焼いてみるのはいかがでしょうか。言うなれば「串焼カプレーゼ」。その場合も「弱火でじっくり」がポイントです。
後藤聡一郎さん
1981年神奈川県生まれ。高校卒業後、地元の焼鳥店で勤務。憧れだったアパレルの世界に転職するも、飲食への想いに突き動かされ、再び飲食業界へ。和食、フレンチ、屋台、チェーン居酒屋など様々なジャンルで経験を積み、2015年より「Yakitori田崎」に。2017年に店長となり、現在に至る。
Yakitori 田崎
東京都渋谷区恵比寿西1-13-5 ブラッサム大六天 1F
tel. 03-6416-0889
営業時間/17:00〜23:30(22:30 L.O.) 日曜〜23:00(22:00 L.O.)
定休日/不定休
http://yakitoritasaki.com/
text by 佐野嘉彦
photographs by 石原哲人
シリーズ《CHEF’S VOICE》
チーズを料理に生かす、プロフェッショナルたち。
- FRESH CHEESE Delivery(オンラインショップ)
- モチモチ、びよーん!ミルクの甘みと旨みが凝縮したチーズ、カチョカヴァッロ。
- 東京・渋谷で作られるカチョカヴァッロをお届けいたします。
http://fcd.cheese-stand.com/