「クスクス」「タジン」「フムス」、これらはどんなエリアの食べ物かわかりますか。
日本でも知られるようになってきたこれらのメニューは、北アフリカや中東の料理。アジアとヨーロッパをつなぐ地域には、魅力的でまだまだ知られざるローカルフードがたくさんあります。
チーズも然り。そこで2回にわたって、チュニジアの文化にも触れつつ、日本の家庭でもできるチーズを使ったチュニジア料理をレシピと共にご紹介していきます。
まず、チュニジアってどんな国?
チュニジア共和国は、アフリカ大陸の一番北に位置する、地中海の沿岸国。イタリア・シチリア島は、すぐ向かいに面しているという場所にあります。
国土の3/4が地中海に面しているため、オリーブオイルやトマト、ニンニク、唐辛子などをふんだんに使った、地中海諸国でよく食べられているような料理がメイン。そこにアラブ諸国ならではのスパイスを多用することで“チュニジア料理らしさ”が生まれるのです。
言葉はアラビア語。でも長年フランスの占領下にあったためフランス語も公用語としてほとんどの人が話せます。そしてびっくりするのが、チュニジア人の言語能力の高さ。
アラビア語とフランス語を母国語のように操り、近くのイタリア語やスペイン語、特に市場でお店をやっている人は、世界各国から来る観光客に合わせて、日本語や中国語など何ヶ国語も話せる人がたくさんいるのです。
魅力あふれるチュニジア、どんなチーズがある?
チュニジアは、フランスやイタリアほどのチーズのイメージがありませんが、チーズが大好きな人々です。街には大抵チーズ専門店があり、何十種類ものチーズが並んでいます。
中でもよく料理に使われる人気のチーズは「グータ」。
リコッタのようなやわらかな食感のフレッシュチーズで、水切りに入れたまま売られています。サンドイッチに入れたり、はちみつをかけておやつとしてそのまま食べたりします。
「ジュベンメルヒ」も人気。グリュイエールのような味と食感です。細かくすりおろされ、普通のビニール袋に入れられた状態で売っています。こちらは塩気がしっかりあり、熱によく溶けるため料理に使われます。
タジンは、栄養満点のオムレツ?
日本でも最近知られている「タジン」という名前。でも、皆さんが思いつくのは、タジン鍋に入ったシチューのような煮込み料理ではないでしょうか。
実はそれは「モロッコのタジン」なのです。
「モロッコのタジン」と「チュニジアのタジン」は全くの別物。「チュニジアのタジン」はタジン鍋に入っていません。チーズと鶏肉がたっぷり入ったボリューム満点のオムレツなのです。
モロッコのタジンを想像してチュニジアでタジンを頼むと、まったく予想していなかった料理が出てくるので、ぜひ違いを覚えておいてくださいね。
チュニジアのタジン
■材料 約6人分
生卵 5個
ゆで卵 3個
鶏むね肉 200g
玉ねぎ 1/4個
シュレッドチーズ 100g
パルミジャーノ・レッジャーノ(粉) 20g
パン粉 1カップ程度
ターメリック・塩・胡椒 少々
■作り方
- みじん切りにした玉ねぎ、一口大に切った鶏肉にターメリック、塩、胡椒で味付けして、鶏肉が浸る程度の水を入れて30分ほど煮る。(焦げつかないように、煮汁がなくなったら足す)
- 1.で煮た鶏肉をほぐしておく。
- ゆで卵(固ゆで)を作っておく。
- ボールに生卵、ほぐした鶏肉、一口大に切ったゆで卵、パン粉、チーズ2種を入れてよく混ぜ、最後に塩、胡椒で味を整える。
- 耐熱皿に 4.を移し、160℃に余熱したオーブンで約45〜50分焼く。
■美味しく作るコツ
・中央に箸を刺し卵がつかなければ、出来上がりです。
・表面の焼き目が適度になったら、アルミホイルをかぶせて、それ以上焦げないように調節しましょう。
- 渡邊美友(わたなべ・みゆう)
- 多摩美術大学在学中に、チュニジア政府奨学生としてチュニジア留学。アラビア語とチュニジアの家庭料理を学ぶ。その後帰国し、2児を育てながら、現在は壁画やイラストなどの絵画制作やワインエキスパートの資格を活かし、ワインセミナーやイベントの企画、講師も務める。
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