2007年、渋谷にオープンした和食料理店「食幹」に続き、広尾「小野木」、麻布十番「eat」など、食に慣れ親しんだ大人たちが日常で楽しめるお店を展開する株式会社ディスカバリーが、2018年に「食幹 ソラマチ」に続く3号店としてオープンした「食幹 六本木」。
オーナーシェフを務める佐藤幹さんを訪ねました。
とにかくお客様を楽しませたい
―CHEESE STANDのチーズはいかがでしたか？
今回ご紹介いただき、「おっ、チーズ？」って思いました。東京、職人、日本人・・
東京発の和食にこだわる食幹のエッセンスに注ぎ込むには良いストーリーだと思いました。
固定概念を覆す、イノベイティブな発想
―和食にチーズって、なかなかない組み合わせだと思いますが。
「こんな食べ方あるんだ」って言う発見に繋がったら良いなと思っています。こういう食感って、今求められているんだと思うんです。今のお客様の舌にあった味や食感を組み込むことによって、お客様に喜んでもらえるし、これからの未来の和食に良い影響を及ぼしてくれると思うんです。
―チーズを使った料理について教えてください。
チーズの茶碗蒸しです。焼いたり、蒸したり、いろいろ試したんですが、チーズのポテンシャルを最大限に活かせる組み合わせがこれだ！と思って。チーズの種類も色々と試しましたが、ストラッチャテッラ（ブッラータの中身）は歯ごたえが面白かったのと、チーズそのものの美味しさはもちろん、熱を加えるとチーズから旨みが出て、卵と重なるとさらに美味しくて。それから、カツオに含まれるイノシン酸（アミノ酸）とチーズって本当によく合うんです。
茶碗蒸しの生地とチーズのシコシコ感のハーモニーが絶妙で。フレッシュチーズをあえて温めて食べるって意外と面白いんじゃないかなって思って。
最後におろし山葵をのせて、完成です！
――スプーンですくうとチーズが伸びる、伸びる！
チーズの甘い風味がふわっと広がって、繊細なスープと少し溶けて柔らかくなったチーズと後に残るシコシコの食感を同時に楽します。この食感、絶妙じゃないですか。
実はもうひとつ、まだ試作段階なのですが、こんなのも作ってみました。カチョカヴァッロの磯辺揚げです。おもちの感覚でフレッシュチーズを使う、そんなイメージです。まさに日本人が慣れ親しんだ味ですよね。つまみとして、食間などに出しても面白いかなと思っています。
―とっても美味しいです。チーズが見事に和食に溶け込んでいて。チーズはよく料理で使われるんですか？
実は僕、チーズはこれまでほとんど使ってこなかったんです。食幹には、オープン当初からの定番メニュー「いぶりがっことクリームチーズのポテトサラダ」があるのですが、これが唯一のチーズを使った料理。チーズってどこか創作に取られがちというか、こんなの和食じゃないよねって思われがちで。でもちゃんとこうやって真面目に筋を通して使うと、和食でもチーズもいける気がして。
フレッシュチーズは、言ってみれば和食で言うお刺身のような存在。和食は新鮮さや出来たての感動が強いジャンルですが、フレッシュチーズも出来たてならではの感動を生み出している点が重なるなって。そんな掛け合わせで食の幅も広がるのではと思いました。
―メニュー開発や食材選びのこだわりを教えてください。
食材は、いろんな良いものを集めています。今の人ってこういう食べ方、こういうテイストが好きなのでは？っていう視点を大切にしています。
今の人って、たくさん食べるより、小さいけどパワーがあるものが好きなんだと思うんです。一口だけど噛みしめる、みたいな凝縮感が求められていると思います。そういう食感のものってあんまりないんですよね。
―このお店を六本木でオープンした理由はありますか。
六本木は、面白い場所だと思って。実はこのエリアって、和食でしっかり食べられるところが少ないし、そんな中でもピシッと筋が通ったことをやると六本木の和食のオアシス的な存在になれるかなと思っています。
―今後の展開を教えてください。
食のセレクトショップみたいなことをしたいですね。好きなものを好きなサイズで、みたいな。トラディショナルな和食をやってるお店はたくさんあるので、遊びを加えて自分らしさを表現することにこだわっていきたいです。
佐藤幹さん
1975年生まれ。栃木県出身。調理専門学校卒業後、数々の老舗和食店で約12年経験を重ねる。2007年に「食幹」をオープン。オーナーシェフとして和食の楽しさを伝える一方、TVや雑誌への出演など幅広く活動中。
食幹 六本木
東京都港区六本木7-5-11 カサグランデミワB1F
TEL：03-5775-7831
営業時間：11:45〜15:00（L.O.14:00）、18:00〜23:30（L.O.22:30）
定休日：無
http://discovery-t.com/shokkan-ryudo-cho/
シリーズ《CHEF’S VOICE》
チーズを料理に生かす、プロフェッショナルたち。
- フレッシュチーズはFRESH CHEESE Delivery（オンラインショップ）で
- 「街に出来たてのチーズを」をコンセプトに、フレッシュチーズを毎日手作りしています。保存料などの添加物は一切不使用。新鮮なチーズの美味しさを、日常の食卓にお届けします。
http://fcd.cheese-stand.com/
