「RNSQ by katsuji yoshino(麻布十番)」などで腕を揮ってきたヨシノカツジさんに、インタビューさせていただきました。(取材:2016年3月)
―家庭でもできるチーズの料理、またはチーズの使い方のコツなどを教えてください。
茄子を醤油で炒めて、最後にモッツァレラを入れて少し温めて食べるのは、家庭でも実践しやすいと思います。同じ発酵食品なので上手くまとまりやすいと思います。
―チーズを使った料理を作っていただきましたが、ご説明をお願いできますか。
冬の終わり、そして春の始まり・・・。季節の移り変わりを表現する一皿です。
ベースとしては、モッツァレラチーズとトマトとオリーブオイルで、それにプラスして甘味と辛味が欲しかったので、今の季節に力強い野菜を作る農家さんの野菜とハーブを合わせました。
上には、全体の調和を考えて、モッツァレラチーズの保存液にモッツァレラを入れて一度分離させてパセリオイルでまとめてつくったソースがかかっています。
モッツァレラチーズは少し水分を抜いてからカットし、味の凝縮と蕪そっくりの見た目に擬態化をさせてみました。オリーブオイルを凍らせて、ゼラチンを通して丸くしたものをアクセントに。
―CHEESE STANDのチーズをメニューで使っていただいていますが、それはなぜですか。
東京の牧場でとれた牛乳を使って東京で作っていることに賛同しています。国産の食材を使うことや自分の周りの仲間を盛り上げることでも、良いことだと思っています。
もともとフレッシュチーズは熟成させて旨味が増すタイプとは違い、新鮮さが命なのにわざわざ時間を掛けてイタリアのモッツァレラを料理に使うことに疑問を感じていました。ですので新鮮で美味しいものを使いたいから使うというのは自然なことです。
ヨシノカツジさん
辻調理師専門学校卒。Cuisine[s] Michel Troisgros 、La bigarrade、Le Grand vefour、 Pierre Gagnaireなど国内外のフランス料理店にて研鑚。 現在、「RNSQ by katsuji yoshino(麻布十番)」のシェフを務める。
interviewed by 藤川真至(CHEESE STAND代表)
photographs by 石原哲人
シリーズ《CHEF’S VOICE》
チーズを料理に生かす、プロフェッショナルたち。