今回の「CHEF’S VOICE」は、特別編。
代々木上原にあるカフェバー「No.」にて、表参道「restaurant RK / REVIVE KITCHEN THREE AOYAMA」シェフの井口和哉さんにインタビューをさせていただきました。今回このスペシャルな企画に至った背景をご紹介させていただきます。
「No.」はこれまで提供してきたメニューを刷新し、「/RE DESIGNING THE BASICS(リ デザイニング ザ ベーシックス = ベーシックなものを見つめ直し、独自の視点を提案していく)」をコンセプトに、シェフやデザイナーなど業界を超えたコラボレーションで新たに開発したメニューを発表していくメニューシリーズ『No. COLLECTION』をスタートしました。
『No. COLLECTION』は、「No.」が掲げるコンセプト”日常のアップデート” の新たな挑戦として、様々なフィールドで活躍するクリエーターとコラボし、シンプルかつベーシックなものを追求したメニューを、まるでファッション業界のコレクション(=新作発表会)のように “新作コレクションライン”として発表していくプロジェクトで、クリエイティブオフィスを母体にもつブランドとして「アイデアの力で身近なモノ・コトの尊さや素晴らしさを伝えていきたい」という想いのもと、トレンドではなく、あえて日常的なフードやドリンクに向き合い、日頃慣れ親しんだものに見出す “新しい視点”を提案していくというものです。
『No. COLLECTION』について:301 magazine
その第一弾として、「SUMMER COLLECTION 2021」を2021年8月〜10月まで展開しています。 「SUMMER COLLECTION 2021」でフード監修を務めるのが、「restaurant RK / REVIVE KITCHEN THREE AOYAMA」シェフの井口和哉さん。今回のコラボレーションメニューについて伺いました。
ー「SUMMER COLLECTION 2021」のフードメニューについて教えてください。
『No. COLLECTION』では、馴染みのあるものを新しい視点でアップデートすることをコンセプトに掲げています。そのコンセプトに沿い、「Ome Farm(東京・青梅)」、「MITSUI NATURAL GARDEN(神奈川・横浜)」など信頼できる有機栽培・自然農法の生産者やセレクトショップから仕入れた野菜を中心に、「サラダ」や「リゾット」など馴染みのあるメニューを新しい視点でアップデートした6皿をご提案させていただきました。
今回は、その一つであるサラダにCHEESE STANDのチーズを使用させていただきました。「野菜にドレッシングをかけたもの」という印象が強いサラダを、ドレッシングで食べるサラダとは違う形で再定義してみました。
ーそれは具体的にどのようなサラダなのでしょうか?
CHEESE STANDのリコッタチーズを主役に、バラエティ豊かな食材の要素を掛け合わせたクスクスのサラダ「タブレ」を作りました。
今回のコンセプトが“日常のアップデート”なので、普段のものワンランク上、という意味でCHEESE STANDのリコッタチーズを使わせていただきました。CHEESE STANDのリコッタチーズはそのままで美味しいので、あえて加工せずにムース感覚で使いました。
リコッタをたっぷりのせたお皿に、キャロットラペ、ロメインレタス、アボカドのフリット、デュカスパイスのクランブルをのせ、バジルオイルをかけます。クスクスには、カリフラワーをあえることで、クリーミーさやコリっとした食感もプラスしました。
サラダって、葉物のイメージが強いと思いますが、食材を小さく刻んでスプーンですくって食べられるような一皿に仕上げました。温かいアボカド、サクサクのクランブル、滑らかなリコッタ、爽やかなオイルなど、どこを食べても毎回違った食感や味わいを楽しめる一皿になっています。No.はアルコールやカクテルも充実しているので、お酒のつまみにもなれるように意識して作りました。
ービタミンカラーで色鮮やかな一皿ですね。皆さんの反応はいかがですか?
リコッタチーズが美味しい!と喜んでくださっているようです。メインの食材が美味しいと言われるように計算して作ったので、うれしい反応です。よく、コース料理などでありがちな「色々食べたけど結局何食べたか分からない」みたいにならないようにしたくて。
ー今回どのような経緯で、CHEESE STANDのチーズを使ってくださることになったんですか?食材選びへのこだわりもあれば教えてください。
これまでも「restaurant RK / REVIVE KITCHEN THREE AOYAMA」では、何度も使わせていただいていて、美味しいチーズと知っていたので、今回も選ばせていただきました。
食材の仕入れに当たっては、身近にあるものを意識して取り入れています。野菜はお店の近くにある青山ファーマーズマーケットにバスケットを持って買い出しに行ったりもします。
僕は元々フレンチ出身で、グランメゾンにいたんですが、そこには日々世界から最高級のフォアグラやトリュフが届くんです。もちろんそれらの食材は美味しいですし、そんな食材を扱うことも最高に楽しかったです。ですが、自分がシェフになり、お客様に「フォアグラが美味しかった」と言われた時に、誰が作ったかも分からない食材を褒められてもなんだかしっくりこなかったんです。
そんな経験を経て、今はできる限り身近なものや自分の知っている生産者さんから仕入れた食材を使うようにしています。繋がりのある方のものが美味しいと褒めてもらえると自分のことのように嬉しくて。
CHEESE STANDのチーズも、渋谷にお店や工房があることを説明すると「早速行ってみます!」と言ってくださる方もいたり、会話も盛り上がります。僕が作る料理を通じてお客様の視野を広げられることもやりがいの一つかもしれないですね。美味しい料理をきっかけに、美味しい意外の“新しい視点”を見つけていただけたら嬉しいです。
ー今回の「No. COLLECTION」でのコラボレーションはいかがでしたか?
今回のコラボレーションでは、味付けの方向性やどういう思いで作ってるのか、No.のシェフに伝授させていただきました。なかなか要求の多いメニューになってしまいましたが、実際に僕のお店まで研修に来てくださったり、しっかりと時間をかけて一緒に作り上げました。今回のコレクションやメニューにかける思いを本にしてまとめてくださるなど、普段なかなか伝えきれていないことを言語化してくださった「No.」の皆さんには感謝しています。
※メニューは取材当時のもので、現在提供していない場合がございます
井口和哉さん
大阪の調理師専門学校で学びフレンチの世界へ。「タテルヨシノ銀座」「ル・コントワール・ド・ブノワ」「ミッシェル・ブラストーヤ ジャポン」などの名店で研鑽を積んだのち、「ビストラン エレネスク」シェフを経て、「restaurant RK / REVIVE KITCHEN THREE AOYAMA」シェフに就任。旬の食材を使用した1皿のなかで変化を楽しめる料理に定評がある。
No.
東京都渋谷区上原1-33-11 TOPCOURT4 3F
営業時間:9:00〜24:00
【第1月曜日】9:00〜15:00、17:00〜24:00
【第2、3、4月曜日】9:00〜15:00
(L.O. Food: 21:00 Coffee: 23:00 Cocktails: 23:30)
定休日:無
https://www.instagram.com/no.tokyo/
restaurant RK / REVIVE KITCHEN THREE AOYAMA
東京都港区北青山3-12-13 1F 2F
TEL: 03-6419-7513
営業時間:11:00〜15:30(14:30 L.O.)、17:00〜20:00(19:00 L.O.)
【土日祝】11:00〜16:30(15:30 L.O.)、17:00〜20:00(19:00 L.O.)
定休日:火
https://www.threecosmetics.com/shop/revive-kitchen/restaurant-rk/
photo by 石原哲人
シリーズ《CHEF’S VOICE》
チーズを料理に生かす、プロフェッショナルたち。
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