リコッタは、はちみつをかけて食べると、それだけでちょっとしたデザートになります。
「それぞれのはちみつにはどんな特徴があって、リコッタと合わせるには何を選んだらいいのか。」
実際に12種類のはちみつとリコッタのペアリングを試してみたレポートをお届けしています。
《後編》は、ハーブ系のはちみつからスタート。
★12種から探る!リコッタに合う“はちみつ” 《前編》はこちら
ハーブ系のはちみつ
⑧ローズマリー(フランス産)
ハーブそのものとしては香りが強いローズマリーですが、その花の蜜から採取されたはちみつは、とても穏やかでした。ややオレンジがかった淡い黄金色で、水分量も多めでさらりとした舌触り。後味にほうじ茶のような香ばしさもありましたが、さわやかな味わいです。
テイスティングしていても「アカシアの次にシンプルでクセのないはちみつ」といった意見が多く、リコッタにかけても素直に美味しく楽しめました。
⑨ワイルドタイム(ニュージーランド産)
ハーブとして一般的に使われる「タイム」の仲間ではあるものの、異なる野生種。色も濃く、クリーミーな食感のはちみつで、青々とした草や野菜、樹木といったまさに“ワイルド”な香り。同じハーブ系でもローズマリーとはかなり異なります。
「大石さんの言う通り、やはり色が濃いものは個性的という基本ルールがここでも合致していますね」と編集部も納得。リコッタにかけても、ハーブ感が強く残るという意見が圧倒的でした。
ナッツ系のはちみつ
⑩栗(イタリア・カンパーニャ産)
透明度の高い褐色で、舌触りはクリーミー。見た目通り、カラメルの風味が圧倒的で、ローストナッツのような香ばしさがあるフレーバーです。
リコッタにかけると「まさにキャラメルミルクのよう」「濃厚な味なので、秋とか冬ならこれがいい」など、他のはちみつとの違いが明確に感じられる組み合わせになりました。
その他のはちみつ
⑪アボカド(アメリカ・カリフォルニア産)
少々変わり種のはちみつ。しっかりとした褐色で焦げたような風味がありますが、栗とは異なり、ざらざらとした食感。アボカドだからなのか、青い野菜のような風味もあり、酸味や渋味を後味に感じるというコメントも出ました。
複雑味のある個性派なので、リコッタと合わせると、バランスとしてははちみつの方が勝ってしまう印象でした。
⑫ゴゾ・ハニー(マルタ産)
最後は、地中海に浮かぶマルタ島の複数のハーブからなる百花蜜をテイスティング。生産量も少なく、エリザベス女王のお気に入りとしても知られているはちみつとか。
見た目は濁りのある黄金色ですが、クリーミーな舌触り。海や潮風の影響なのか、少し塩っぽいミネラル感があり、12種のなかで最も複雑味を感じる美味しいはちみつでした。リコッタとももちろん合いますが、これはちょっと贅沢なペアリングですね。
テイスティングを終えて
全12種類。同じはちみつとは言え、本当に違うものだということが今回のテイスティングで体感できました。
リコッタとのペアリングは、風味や食感のバランスを意識しながらテイスティングしましたが、夏はアカシアやローズマリーのようなさわやかなはちみつを、冬は栗や個性的なはちみつとの組み合わせで……といった、季節に合わせた楽しみ方ができることを発見。
また、はちみつごとの特徴を理解することで、“さっぱり派”や“こってり派”といった個々人の味の好みに応じて、リコッタに合わせるときも、どのはちみつを選んだらよいかというおおよその指標ができたように思います。
殺菌作用も高く、ミネラルやビタミン、酵素などがバランスよく含まれているという、はちみつ。
季節や自分の好み、また飲物などとの組み合わせも考えながら、あなたもお気に入りのペアリングで「はちみつ&リコッタ」を楽しんでみませんか。
★12種から探る!リコッタに合う“はちみつ” 《前編》はこちら
text and photographs by 佐野嘉彦
- 「出来たてリコッタ」はFRESH CHEESE Delivery(オンラインショップ)で
- ほわほわ食感で、ほんのり甘い。
- 東京・渋谷で作られるフレッシュなリコッタは、料理にもデザートにも活用できて、低カロリー。オンラインショップでもお求めいただけます。
http://fcd.cheese-stand.com/