家でも簡単に作れる!? 3つの料理と「フロマージュ・ブラン」&ヨーグルトの関係

fromage blanc

「フロマージュ(Fromage/チーズ)」+「ブラン(Blanc/白い)」。

その名の通り、真っ白で、一見ヨーグルトのようなフランスのフレッシュチーズ、フロマージュ・ブラン。日本ではチーズの品揃えが整った店でないとあまり見かけることはありませんが、フランスではとてもポピュラーなチーズです。

近くの店で手に入らなくても、大丈夫。家庭で、似たようなものを簡単に作る方法もお教えします。

 

フロマージュ・ブランってどんなチーズ?

ところで、ヨーグルトとチーズの違いってご存じですか?

大まかに言うと、水分を切るか切らないかがポイント。フロマージュ・ブランは主に乳酸菌、そして時には凝乳酵素(レンネット)も使ってミルクを固め、水分を切っただけのもの。ミルクを乳酸発酵させて固めたものがヨーグルトなので、水気を切れば、一種のフロマージュ・ブランとも言えるのです。

水分を切らないヨーグルト、水分を切ったフロマージュ・ブラン。それぞれが、チーズか否かの境界に位置して、とても近い存在なのが面白いところです。

なお、フロマージュ・ブランは「フロマージュ・フレ(Fromage/チーズ + Frais/フレッシュ)」のひとつとして、そう呼ばれていることも多いので、チーズになりたて、熟成させないフレッシュチーズの代表格とも言えるでしょう。

 

“自家製”フロマージュ・ブランの作り方

greek yogurt

ところでこのフロマージュ・ブラン、似たようなものでしたらご家庭でも簡単に作ることが出来ます。

先に書いた通り、固めたミルクの水分を切っただけのものなので、キッチンペーパーを敷いたザルに、プレーンヨーグルトをあけて数時間…。水分が落ちて、半分くらいの量になったら、一種のフロマージュ・ブランの出来上がり。同様に、コーヒーのドリッパーとペーパーフィルターを使っても、美味しくできます。

つまり、グリークヨーグルト(水切りヨーグルト)は、一種のフレッシュチーズであり、フロマージュ・ブランの双子の兄弟みたいなもの。

フロマージュ・ブランが手に入らないという方、ぜひご家庭で作ってみてください。

 

フロマージュ・ブランの美味しい食べ方

フランスでは、はちみつや砂糖をかけて、朝食やおやつ、また食後のデザートに。また、塩・胡椒・オリーブオイルをかけて前菜や食後に食べられていたりと、フロマージュ・ブランはごく一般的な食材です。味は、濃くてなめらかなヨーグルトのようなので、まさにヨーグルトに近い感覚で使われています。

ここでは、フロマージュ・ブランを使った料理やデザートを、3つご紹介します。

 

セルヴェル・ド・カニュ(Cervelle de Canut)

Cervelle de Canut

“絹織職人の脳みそ”という意味の、フランス、リヨンの郷土料理。フロマージュ・ブランに、おろしにんにく、刻んだハーブ(シブレット、ディル、セルフィーユ、タイム等お好みのもの)、オリーブオイル、塩・胡椒を混ぜただけ。ここに生クリームやエシャロットのみじん切りを加えることもあります。そのまま食べることが多いのですが、野菜やパン、クラッカーのディップにするのも好まれます。

ちなみに名前の由来ですが、リヨンが絹織物で栄えた町だったということ、そして、この料理の白くてぐちゃっと柔らかい感じの見た目が脳みその様だったことから付けられたようです。

 

タルト・フランベ(Tarte Flambée)

tarte flambee

フランス、アルザス地方の薄焼きピザの様な郷土料理。薄く広げたパン生地にフロマージュ・ブランを塗り、オニオンスライス、ベーコンなどをのせて焼きあげます。

 

クレーム・ダンジュ(Cremet d’ Anjou

creme d'ange

フランス、ロワール川流域、かつてのアンジュ(Anjou)地方生まれのデザート。ガーゼに包まれた姿が可愛く、ふんわりとした口当たりと優しい味が魅力です。フロマージュ・ブランをベースに、砂糖、泡立てた生クリーム、メレンゲを合わせ、ガーゼを敷いたココットに入れて作ります。ラズベリーソースを中に入れたり、添えたりするのが定番です。

 

この3つは、どれもフランスでは良く知られているものです。比較的簡単なので、ぜひ日常の食卓やおもてなしで、フロマージュ・ブランを活用してみてください。

 

フロマージュ・ブラン(Fromage Blanc)のきほん

  • タイプ:フレッシュタイプ
  • 主な産地:フランス全土
  • 原料乳:主に牛乳製
  • 熟成期間: なし
  • 形状・重さ: -

 

yuki ogasawara
小笠原由貴(おがさわら ゆき)
恵比寿でパンと料理の教室「la nature(ラ・ナチュール)」を主宰。チーズのある食卓の幸福感、チーズの美味しさ、バリエーション、唯一無二のチーズが生まれる面白さに惹かれ、教室でも折に触れてその魅力を紹介している。C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、J.S.A.認定ワインエキスパート、シュヴァリエ・デュ・タスト・フロマージュ。
http://ameblo.jp/naturefoodstyle/

 

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