「モッツァレラ」の作り方&美味しい食べ方、知っていますか?

モッツァレラ

真っ白でぷるん、つるん。こぶし大でお豆腐の様に水に浸かったフレッシュチーズ、モッツァレラ。もとは南イタリア カンパニア州が原産の水牛乳製チーズですが、需要が増えるにつれ、牛乳製が一般的となりました。日本でも販売されているのはほとんどが牛乳製です。

味わいはミルクの風味が豊かで、噛めばじゅわっとジューシー。適度なコシとしなやかな繊維感があります。また、さっぱりとしてクセが無く繊細な味は、お豆腐にも通じるところがあり、鰹節をふって醤油を垂らしても意外といける、日本人にも馴染みやすいチーズです。
モッツァレラで欠かせない大きな特徴のひとつが、加熱すると良く伸びること。ピザでもグラタンでも、モッツァレラを使うとびよーんとよく伸び、見ているだけでもなんとも美味しそう。このそそる感じもモッツァレラを人気者にした一因ではないでしょうか。

この良くのびる特徴を持つチーズは“パスタフィラータ”と呼ばれており、モッツァレラはその代表格。ひょうたん型の“カチョカヴァッロ”やずっしり大きな“プロヴォローネ”、そしてスーパーでも目にする、さけるタイプのチーズも同じパスタフィラータです。

この伸びるという特徴は製法によるものなので、モッツァレラの作り方を簡単にご紹介しましょう。

 

モッツァレラの製法

1. まずミルクを温め、乳酸菌を加えて軽く発酵させた後、レンネットと呼ばれる凝乳酵素も加えてミルクを固めます。

2. 固まったミルクをカットし、水分(ホエー)と固形分に分けます。

3. 固形分を濾し取り、まとめて塊にします。それをカットして熱湯を加え、引き伸ばしたりしながら練りあげます。すると繊維状の組織を持つ艶のある状態となります。(この繊維状組織のおかげで良く伸びるチーズとなります。)

4. 手でつるりとした丸い形を作ってちぎり、塩水に落として出来上がり。なお、この時のモッツァーレ(“引きちぎる”の意)と呼ばれる作業がモッツァレラの語源です。

モッツァレラの製法
練って引っ張って...繊維状の組織にまとめていきます。

モッツァレラの製法
つるりとしたモッツァレラのできあがり。

 

このモッツァレラ、今では知らない人がいないくらいポピュラーになりましたが、30年ほど前まではほとんど見かけることがありませんでした。最近はスーパーに行くと、大手メーカー製の国産もの、そして時にはイタリア産の物までが並び、入手も簡単に。その知名度と消費量のアップに貢献したのが、まずはバブル全盛期のイタメシブームとその後のイタリアンの定着、そして、ここ15年くらいのナポリ風石窯焼きピッツァ人気とその定着です。そうしてイタリアンレストランやピッツェリアの味に馴染んだ人が増えるにつれ、大手国産メーカーでもモッツァレラが作られるようになり、一般にもモッツァレラが広がっていきました。

 

モッツァレラの美味しい食べ方

ピッツァはもちろんのこと、モッツァレラの食べ方はいろいろ。イタリアンカラーの“サラダ・カプレーゼ”も有名ですが、もっとシンプルに、塩・コショウしただけ、さらにオリーブオイルをかけたり、サラダに混ぜたり、フルーツやトマトと合わせたり…と、切るだけで簡単に食べられるのも魅力。

クセのない味で、アレンジしやすいモッツァレラ。色々と試してお気に入りの食べ方を見つけるのも楽しいものです。

カプレーゼ

なお、ここではフレッシュモッツァレラについてご紹介しましたが、実はそれよりずっと消費量の多いのが、水分を抜いてセミハードに仕上げたモッツァレラ。その大半はイタリアではなくオーストラリアやニュージーランドから輸入され、主に加熱用シュレッドタイプに加工後、業務用としてピザやグラタンに使われたり、スーパーに並んで家庭の食卓まで届けられたりしています。

モッツァレラが一般家庭へ普及したのは、大手国産メーカーのおかげという部分もありますが、その一方で最近注目なのが、小規模な工房や牧場による手作りモッツァレラ。それぞれの職人が、熱意とプライドを持ちながら、真摯に高品質モッツァレラ作りに取り組んでいます。そして、ここ数年の味の進化には目覚ましいものがあり、この分でいけば、そろそろ本場イタリア産を超えるモッツァレラが出てきそう。楽しみなところです。

 

モッツァレラのきほん

  • 名称:モッツァレラ(mozzarella/モッツァレッラとも)
    *本場の水牛乳製のものは、“モッツァレラ・ディ・ブッファラ・カンパーナ”と呼ばれる。
  • タイプ:フレッシュ(パスタフィラータ)
  • 原産地:南イタリア、カンパニア州
  • 原料乳:もともとは水牛乳製。一般に普及しているものは牛乳製がほとんど。
  • 形・大きさ・重さ:10gほどのチェリーサイズのものから、250g程度のこぶし大のものまでさまざま。やや楕円がかった球形。

 

yuki ogasawara
小笠原由貴(おがさわら ゆき)
恵比寿でパンと料理の教室「la nature(ラ・ナチュール)」を主宰。チーズのある食卓の幸福感、チーズの美味しさ、バリエーション、唯一無二のチーズが生まれる面白さに惹かれ、教室でも折に触れてその魅力を紹介している。C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、J.S.A.認定ワインエキスパート、シュヴァリエ・デュ・タスト・フロマージュ。
http://ameblo.jp/naturefoodstyle/

 

モッツァレラを美味しく楽しもう!

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モッツァレラを自分で作って、楽しむ。

 

mozzarella
「出来たてモッツァレラ」はFRESH CHEESE Delivery(オンラインショップ)で
真っ白でぷるん、つるん。
東京・渋谷で作られるフレッシュなモッツァレラはミルク感もあって、料理にも最適。オンラインショップでもお求めいただけます。
http://fcd.cheese-stand.com/

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