フレッシュチーズの前菜4選ニューヨークでは定番に！

新鮮で確かな食材を、シンプルかつカジュアルに味わう。
ニューヨークのレストランでは、そんな前菜料理が人気を集めています。

モッツァレラの生地で、生クリームと繊維状のチーズを巾着のように包んだ「ブッラータ」をはじめとするフレッシュタイプのチーズは、野菜やフルーツとの相性もよいので、“Farm to table（農場から食卓へ）”を謳うレストランでは、よく前菜として登場します。

そこで、今回はニューヨークのレストランで、実際にメニューオンしていたフレッシュチーズの前菜料理をご紹介します。

①　Roman Burrata | Charlie Bird（グリニッジビレッジ／マンハッタン）

これ、食べかけの写真ではありません。ニューヨークのカジュアルなスタイルのレストランでは、キレイに整えた盛り付けよりも、こうしてあえて無造作に、“シズル感”を演出することを優先させた盛り付けが流行っているようです。

ブッラータを切ると、生クリームが皿の上にトロッと流れ出す。そのうえに、少しマリネしたレーニア・チェリー*をのせ、クラッシュアーモンドを散らし、塩とオリーブオイルで調味しただけという、シンプルな一皿です。

チェリーの酸味と甘味、アーモンドの香ばしさ、塩加減でバランスをとりながら、クリーミーなブッラータの風味を楽しめるようとにかくシンプルに。無造作な盛り付けにこそセンスが問われそうですが、「これなら家でも真似できそう！」と思わせてくれる前菜料理です。

*レーニア・チェリー：ワシントン州立大学で開発された品種で、ワシントン州のマウント・レーニアから名前をとったチェリー。日本のサクランボに似た味わいと食感。

2016年4月に行われた「世界最優秀ソムリエコンクール」で優勝した、ジョン・アルヴィッド・ローゼングレンさんがシェフソムリエを務める店。エントランスのドアはこんなデザインで、店内では、HIPHOP-JAZZの音楽が心地よくかかっています。

Charlie Bird

http://www.charliebirdnyc.com/

5 King Street, New York, NY 10012
営業時間　日〜木: 11:30-23 | 金・土: 11:30-24
Tel: 212.235.7133

②　Hudson Valley Burrata | The Marshal（ヘルズキッチン／マンハッタン）

ブッラータを主役とした一皿をもうひとつご紹介。ここはニューヨーク近郊の生産者による食材に徹底的にこだわったレストランです。

ブッラータは、マンハッタンからハドソン川を130kmほど遡ったところにあるJohn Fazio Farmで作られたもので、弾力のある食感が楽しめるチーズの部分と、フレッシュなクリームが両方ともしっかり味わえるブッラータ。また、添えられている野菜や調味料の味がまた滋味深いのが魅力です。

細長いグリーンの葉は、実はニラ。ハドソン川向かいのニュージャージー州にあるLani’s Farmのニラを炭焼きにしたもので、ニラ特有の匂いはあまりないのですが、青々とした香りと炭焼きによる香ばしさがたまらない付け合わせです。ブッラータにはバジルペースト、軽くローストしたチェリートマトが添えられ、ニューヨークの北、マサチューセッツ州のマーサ・ヴィンヤード島の海塩で、自分好みの塩加減に調味しながら食べることができます。

「ブッラータを食べるなら、これも絶対食べてよ。ミルク、好きでしょ？」とおすすめされたのが、このホイップバターとパン。両方とも自家製とのことで、ホイップバターは乳の甘みに満ちあふれていて、とても軽い口あたり。あまりの美味しさに手が止まらなくなります。

ブロードウェイの劇場街から、ハドソン川の方に3ブロックほど行ったところにあるので、ミュージカル鑑賞の前後の食事にもおすすめの一軒です。

The Marshal

http://www.the-marshal.com/

628 10th Avenue, New York, NY, 10036
営業時間　月〜木: 16-24:30 | 金: 16-25 | 土: 11-16, 17-25 | 日: 11-16, 17-24:30
Tel: 212.582.6300

日本でも注目され始めたブッラータは、とても繊細なチーズ。そのため、ニューヨークではイタリアからの輸入品以上に、地元産や同じ東海岸にあるヴァーモント州で作られるブッラータの取扱いが、チーズショップや食材にこだわる小売店では増えてきているようでした。

チーズ専門店「Murray’s」プライベートブランドのブッラータ

食の専門店「Brooklyn Kitchen」では、ヴァーモント州にある工房の手作りブッラータを販売

③　Arugula Goat Cheese Salad | Urban Rustic（ウィリアムズバーグ／ブルックリン）

ブルックリンの人気の街、ウィリアムズバーグで、こんなサラダはいかがでしょうか。arugulaとはルッコラのこと。有機農法で育てられたルッコラの上に、リンゴのスライスと山羊乳のフレッシュチーズ、アーモンドがたっぷり。味付けは、バルサミコ酢主体のドレッシングです。

山羊乳のフレッシュチーズはfresh goatと呼ばれ、クリームチーズやカッテージチーズと同じくらいニューヨークでは一般的で、スーパーのチーズ売場の棚にも定番品として並んでいます。

カッテージチーズよりも食べ応えがあり、クリームチーズよりヘルシーで、爽やかな酸味とミルク感がサラダのトッピングにぴったり。

店内では、ブルックリンで作られた食材も販売されています。

モーニング、ランチ、カフェの店として地元に根づいている店。公園に面していることもあり、緑豊かなシチュエーション。週末のブランチにおすすめです。

Urban Rustic
http://www.urbanrusticnyc.com/

236 N 12th St, Brooklyn, NY 11211
営業時間　毎日: 8-19
Tel: 718.388.9444

④　Stracciatella with grilled bread | Roberta’s（ブッシュウィック／ブルックリン）

豪快な見た目に少しびっくりするかもしれませんが、これもフレッシュチーズが全面に活かされた料理です。

店内にある大きな薪窯で直焼きにしたパンが添えられているのは、ストラッチャテッラというチーズです。モッツァレラ生地を繊維状にしたチーズ、といえば分かりやすいでしょうか。ブッラータの中に生クリームと一緒に包まれているのもこのストラッチャテッラです。

味付けはこれも至ってシンプル。塩、胡椒、オリーブオイルのみ。でも、炭火焼されたパンとの素朴な組み合わせで十分な満足感が得られる、そんな一品です。

ブルックリンの人気ピッツェリアとしていつも上位に入るこの店。モッツァレラ、タレッジオ（ウォッシュチーズ）、パルミジャーノ・レッジャーノがのったこのチーズ満載のピッツァの名は「Cheesus Christ（チーザス・クライスト）」。ビックリしたときの表現「ジーザス・クライスト！」とも掛けられたアメリカンジョーク的なネーミングですが、味はかなりの本格派です。