イラストレーター 照喜名隆充さん|工房に差し込む朝日からモッツァーマンは生まれたんです

イラストレーター 照喜名隆充さん|工房に差し込む朝日からモッツァーマンは生まれたんです

※本記事はCHEESE STAND公式noteで投稿された記事を転載しております。

CHEESE STANDの”外側”からCHEESE STANDの魅力を発信する「CHEESE STAND のまわり」第7弾は、CHEESE STAND公式サイトで週一回更新している4コマ漫画「モッツァーマン」のキャラクターを描いてくださっている、イラストレーターの照喜名隆充さんです。

WEB連載「モッツァーマン」

神様が落とした魔法の粉チーズがお店に降り注ぎ、
命を宿したチーズの精と店主たちとの可笑しな日常を描くストーリー。

<登場人物>

スタートから、130話以上続く連載に込められた思いや制作秘話を聞いてみました!

―はじめに、照喜名さんのお仕事について教えていただけますか。

メインの仕事はイラストレーターですが、美術の視点を生かして「アトリエリスタ」としても活動しています。「アトリエリスタ」って聞いたことありますか?イタリア発祥の職業で、造形美術の専門家のことを指すのですが、 保育園で保育士さんとともに美術の視点から保育に関わる人のことを呼びます。

子供の頃、保育園で保育士さんとは別に「お絵かきおじさん」がいた記憶なんてありませんか?まさにその仕事をしているのですが、保育園で子供と一緒に過ごして、子供たちから出てくる発想をアートに組み込み、 子供の感性を一緒に膨らますような活動を行なっています。

―そんな職業があるんですね!何がきっかけで「アトリエリスタ」になったのでしょうか。

実は、今、アトリエリスタとしてメインで働いている保育園とは別に、自分が卒園した幼稚園でも「お絵かきおじさん」をしているんです。

当時通っていた時から「大人になったらこんなおじさんみたいになりたい!」と思い描いていた夢の職業だったのですが、 縁あって、本当にそのおじさんの足跡も継ぐことになったんです。

イラストレーターとしてもアトリエリスタとしてもある程度食べていけるようになった頃、40 年ぶりくらいに挨拶がてら幼稚園に連絡してみたんです。すると、当時自分が通っていた時にいた「お絵かきおじさん」がそのまま現役で いらっしゃったんです。もう 40 年も経っていたので、その先生はもう 80 歳近くになっていたんですが、 偶然連絡したタイミングで引退を考えていらっしゃって。「今年やめるから跡をよろしく」と頼まれたんです。

そんなことから「お絵かきおじさん」二代目を受け継ぐことが決まったんです。憧れのおじさんの跡をまさか自分が 継ぐことになるとは、人生何があるかわかりませんね。

―すごいご縁ですね。CHEESE STANDはどのようなきっかけでお手伝いいただくことになったのでしょうか。

始まりはCHEESE STANDのLINEスタンプです。CHEESE STAND代表の藤川さんが LINEスタンプを作りたいとなった時に、知り合いの紹介でお話をいただきました。

その後、このキャラクターで絵本を作ってみようという話になり、作ったのが現在& CHEESE STANDやオンラインショップで販売している絵本「モッツァーマン」です。

 

絵本『モッツァーマン』 – CHEESE STAND

この絵本は、イラストだけでなく、ストーリーも書かせていただきました。私はイラストレーターで、ストーリーを書く人ではなかったのですが、藤川さんから「照喜名さんのユーモアをぜひ!」とご依頼いただき、挑戦してみることにしました。

ストーリー作りは、新しいチャレンジで新鮮で楽しかったのですが、とにかく大変でしたね(笑)。案を考えては妻に見てもらうことを繰り返していたのですが、なんとも反応が悪く、一時はどうなることか本当に悩みました。

アイデア探しの中で、早朝のCHEESE STANDの工房に見学に伺わせてもらったんですが、そこで得たインスピレーションが絵本のストーリーにつながっています。チーズ作りは、真っ暗な真夜中に始まり、チーズが出来上がるにつれ朝日が登り、工房に差し込む光がとにかく美しかったんです。

液体だったものが固形のものへと姿を変えていくプロセスがとても面白いと思いました。さっきまでそこになかったものが目の前に出来上がっている。私には、藤川さんがチーズの神様のように見えました。

そんなことから、こちらのプロローグが完成しました。

また、フレッシュチーズ の本質を考える中で、ミルクの性質を一言で言うとなんだろうと考えた時に浮かんだのが「お袋のあじ」だったんです。ミルクは多くの生き物が初めて口にするもの。一番最初に味わう母親の愛情であり、どんな人が食べても無害な優しい食べ物と聞いて、愛情深いものだなと思いました。それまでフレッシュチーズ のことをよくわかっておらず、チーズ=クセのあるものだと思っていたら、全くそんなことはなく。さっきまで牛乳だったものがかろうじて形を得た、愛情そのものだと思いました。

そんなストーリーを私なりに表現したのがこの絵本。大人もクスッとする要素も入っているので、子供から大人まで楽しんでいただけると思います。

実は、二作目の話もあったんですが、流石に絵本は大変だよねなんて流れで今に続く4コマ漫画の連載がスタートしました。ただし、今回はできればイラストに専念したいと他にストーリーを書ける方を探していた時に手が上がったのが、藤川さんと共通の知り合いだったデザイナーの太田貴子さんだったんです。

 

デザイナー 太田貴子さん | チームの一員としてCHEESE STANDを見守り続ける | note

現在の4コマ漫画は、太田さんがストーリー、私がイラストを担当させていただいています。

―そんな背景があったとは(笑)あのキャラクターはどんな発想から誕生したんですか?

実はキャラクターの原案は藤川さんのアイデアなんです。私はそれをブラッシュアップして具現化させただけ。藤川さんの中に8割近く完成したものがあったんです。キン肉マンが大好きのようで、筋肉質な超人のようなイメージがありました。
当時藤川さんが描かれた幻のラフ画が残っているので、こっそりお見せしましょう。

どちらかというとコミックタッチでウィットに富んだ世界観を望んでいたように記憶しています。食べる商品としてのチーズ以外でチーズの魅力・楽しさを伝えたいという思いがあったのでしょうね。

―まさか藤川がキャラクターを作っていたとは驚きました!(笑)

面白いですよね。いつか私も4コマ漫画を書いてみたいとは思っていたので、こんな形で携わらせていただけるのはとても嬉しく、一つの夢を叶えさせていただいていることに感謝しています。例えばウェディングで馴初めの紙芝居なども沢山描いてきましたが、そういったご依頼はそのお二人のためだけの クローズドなキャラクターなので、世に出ていくことはほとんどありません。一方で「モッツァーマン」はこんなふうに広くみなさんに楽しんでもらえることが、絵描きとしては新しい喜びとなっています。

―それはCHEESE STANDとしても嬉しい話です。最後に読者のみなさんに伝えたいことはありますか?

藤川さんがミルクを固めるように、藤川さんの中のタネを形にしてます。私はチーズ職人ではありませんが、自分ができることを通じてフレッシュチーズ の魅力をみなさんに届けていきたいと思っていますので、変わらず可愛がっていただけたら嬉しいです。今後の展開も楽しみにしていてください。

 


絵本『モッツァーマン』 が気になった方には、下記の画像をクリックしていただくと購入ページへ移ります。

かわいらしいモッツァーマンを絵本としてぜひお楽しみ下さい。


引用元:

CHEESE STAND | note

https://note.com/cheesestand/n/n84a04971f79e

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